
ウィリアム・ギャン(1878~1955)はアメリカの投資家で、独自の分析方法を数々編み出し、生涯で勝率8割という驚異的な記録をつくった人です。
的確な分析方法により1929年の世界恐慌も1年以上前に予測していたそうです。
そんなギャンが考案した28のルールは「ギャン理論」と呼ばれ現在も投資家が参考にしています。
今回は「ギャン理論」についてのご紹介です。
ギャン理論28のルール
資金
資金配分を10等分にする
自分の資金の配分を厳密に10等分し、1回の損失は最大でも10%までにおさえる。
資金配分を厳守する
先ほど資金は10等分すると紹介しました。
ですが、FX初心者ですと資金の配分は10~20等分し、1回の損失は2%までに抑えるほうが良いでしょう。
資金を分散してリスクを分散させる
1つの銘柄に全ての資金を投入せず、いくつかに分散をして投資をせよということですね。
FXの場合ですと分散できそうなものは沢山あります。
資金、通貨ペア、投資期間、投資時間、その他・・
リスク分散に関する記事も書いてありますので、そちらも参考にしてください。
売買
指値注文はしない。成行のみで勝負!
自分の希望する金額で売買が行えれば、良いに越したことはありません。
ですが自分にとって都合の良い金額というのは、なかなか来るものではありません。
確実に取引を成立させるために成行注文の方が大事と述べております。
トレンドに逆らわず、確信のない時はトレードを行わない
ギャンは逆張りではなく、トレンドフォローの方が良いということを述べています。
そして買いか売りか迷った時はトレードをしてはいけません。
ナンピンをしない
ナンピンをすることにより市場にさらす金額が大きくなり、リスクが大きくなります。
ギャンはトレンドフォローを推奨しているため、下がっているのに「買い」を行うというのはおかしいということになるのでしょう。
ピラミッティングのタイミングに注意!
ギャンはトレンドに乗った時にピラミッティングを推奨しています。
そのタイミングとしてサポートラインやレジスタンスラインを破った所と述べています。
ラインを破った後に押し目買いや戻り売りというやり方をするのかどうかは書いてありません。
押し目買いの場合、一度下がって再度上がり出したところを買います。
ギャンの考えは上がったら買う、下がったら売るという考えのようです。
トレンドの勢いが強い時のみピラミッティング!
ギャンは利益を増やすためにピラミッティングを推奨しています。
ですがどこでも買い増し、売り増しをするのではありません。
買い増しは強い上昇トレンドを示す時、売り増しは強い下降トレンドを示すときと述べています。
わずかな利益のために売買をしない
ギャンはトレンドフォローでピラミッティングを行い、大きく利益を得る手法のようです。
よってわずかな利益を得るための売買であるスキャルピングは推奨していないようです。
小さな儲けと大きな損失は避けよ
大きな損失にならないように資金管理はきちんとしなくてはいけません。
それに先ほど述べた理由から、小さな儲けのために売買をするのもやめよとギャンは述べています。
値ごろ感で売買をしてはいけない
これは少しの変動で有利になったと思い、売買を繰り返してはいけないということを述べています。
チャートをずーっと見続けていると少し動き出しただけで、エントリーをしなくてはと思ってしまうことがあります。
注意が必要ですね。
過度に煩雑な売買をしない
これも先ほどまでに述べたことに似ています。
無理な売買を繰り返してはいけませんよということですね。
他人の助言に基づいた売買をするな
自分より優れた人の意見を除き、人のまねや人の意見に左右されるのではなく自分で勉強しろ述べております。
投資だけでなく人生においてもそうかもしれないと思いました。
買い、売り両方を使え!
ギャンは「買い」のみでなく「売り」から入る取引も有効に利用せよと述べています。
トレンドフォローメインなので、下降トレンドを形成した時は反発上昇を狙うのではなく「売り」をねらえということでしょう。
両建てをしない
両建てとは同じ価格で「買いポジション」「売りポジション」の両方を持つことを言います。
時には有効なこともあるのですが、あまり意味のない取引であると述べております。
危機管理
損切り後は取引量を減らす
損失を出してしまった場合にそれを取り戻そうとして、次回に大きくポジションを持ってしまう人がいます。
それによりさらに大きく損失を出してしまうことを避けなければいけません。
うまくいかなかった時こそ冷静になる必要があります。
ストップロスを必ず置く
ポジションを持った時に、同時にストップロスを置けと述べております。
ポジションを持つ時に損切りにあった時の損失額を想定内にしておかないといけません。
よってポジションを持ったと同時にストップロスを置く癖をつけましょう。
後からにすると忘れることや、想定内の金額を超えて損失を出していたということになりかねません。
ストップロスは決してキャンセルしない
ストップロスをキャンセルする癖をつけてしまうと、損切り位置を毎回毎回ずらしてしまい大損をしてしまう可能性があります。
ストップロスは決してキャンセルしない。
投資の基本となります。
利益
十分な利益を出した後、無駄な売買をしない
利益を出した後、利益分を使って無駄なトレードを行ってしまいがちになってしまいます。
利益を出した後は、その日はトレードをしないくらいの気持ちを持っても良いかもしれません。
利益確保後、ストップロスを有利な方へ移動
利益が出たらストップロスを±0の位置まで移動させて、損失を出さないようにしろと述べております。
儲けた利益は別勘定へ
儲けた分を投資に使って大きな損失を出さないようにするためでしょう。
安全に行く場合はこのほうが良いかもしれません。
ただ儲けた分を次の投資に回さないと資産はなかなか大きくなっていきません。
資金管理が大事になってきます。
ポジション
明確なルールで売買
理由なしに売買をしない、決済についても明確なルールに基づき行う。
迷った時は手仕舞う
ポジションを持った後にどうすれば良いのか迷うことがあります。
迷っているのにそのままポジションを持ち続けるのはギャンブルのようなもの。
その場合は早めに手仕舞いをするのが良いと述べております。
確固たる理由なしに手仕舞いしない
手仕舞いをするタイミングについても明確なルールを求めています。
なんとなしにポジションを持ち、なんとなしに決済をするを繰り返してはいけません。
不適切なポジションメーク・決済をしない
間違っているエントリーと間違っている決済をしてはいけないということです。
当たり前のことを述べていますが、しっかりとしたルールに則ってトレードをおこないましょうということでしょう。
待ちきれずにポジションを持たない
儲けることばかり考えてしまいますと、ポジションを持たないことには資金は増えていきませんから無理にでもエントリーをしがちです。
準備を整えたらチャンスをしっかりと待つ必要があります。
市場
相場の天底を予想しない
相場の天底を当てることはほぼ無理です。
これが分かればみんな大儲けです。
ですので勝手な予想をせず、トレンドに乗るということを考えていきましょう。
活発に売買される市場をねらう
ほとんど動きのない相場で取引をおこなっても勝てないということです。
動きが大きい市場をねらうようにしようと述べております。
まとめ
ギャン理論28のルールについて紹介しました。
現在ですと、投資に関して様々な本が出ており、その中でも似たようなことはたくさん書かれています。
とにかく大事なことは資金管理、しっかりとしたルール、そしてルールを守るということですね。
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