
為替相場の動きは人間心理が関わってきます。
過去の歴史を知り、今後同じようなことが起これば過去チャートと同じような動きをすることも考えられます。
今回は過去のチャートを元に、どのようなニュースがあったのかを紹介します。
ドル円年足チャート

上記はドル円の年足チャートです。横軸が年代、縦軸が1ドル=〇円を示しています。
本当は月足でもう少し細かく表示させたかったのですが、横幅が広くなりすぎて表示しきれません。
よって年足のデータにしてみました。
過去のニュースが為替相場の動きにどう影響したでしょうか?
注意してみると参考になるかもしれません。
①レーガノミクス
米国のレーガン政権が1981年から始めた政策で減税や財政支出削減を進めました。
当初は巨額の財政赤字と貿易赤字を生みましたが、その後の米国経済発展の基礎を築いたともいわれます。
チャートとしては1983年2月あたりにドル高・円安が進みました。
②G5によるプラザ合意
1985年9月に米国の呼びかけにより先進国(日本、アメリカ、イギリス、ドイツ、フランス)の会議が行われました。
プラザ合意の目的はドル安によってアメリカの輸出競争力を高め貿易赤字を解消することでした。
これにより急速な円高が進行し、日本国内の景気は低迷することとなったのです。
チャートでも極端に円高に進行していることが確認できます。
③湾岸戦争
1991年1月に湾岸戦争が開戦、2月に米国+多国籍軍の勝利となっています。
その間、年足ではわかりにくいですが開戦前後にドル安、終戦後にドル高となっています。
④クリントン大統領円高容認発言
1993年4月の日米首脳会談でクリントン大統領は円高へ誘導をねらう発言をおこないました。
これにより円高が進行し、当時最高値を記録しました。
⑤アジア通貨危機
1997年7月に始まったアジア各国の通貨下落減少をいいます。
東南アジア、東アジアの各国経済に大きな影響を及ぼしました。
タイ、インドネシア、韓国は特に大きな打撃を受けてIMFの管理下に入ってしまいました。
チャートではドル高になっていますね。
⑥ロシア通貨危機
1998年8月ロシアは巨額の財政赤字を解消するために、通貨ルーブルの切り下げと債務の繰り延べを行いました。
ところが財政赤字は一向に解消せず、アジア通貨危機の影響もあり一層深刻な状況になってしまいました。
アメリカ経済にも影響を与えたため、円高が進んだ結果となっています。
⑦ニューヨーク同時多発テロ
2001年9月、イスラム過激派テロ組織アルカイダによるアメリカ合衆国に対するテロ攻撃です。
年足では分かりませんが4円程乱高下を繰り返した後、円高へと進んでいきました。
アメリカがテロの対象になったため「有事のドル買い」という現象にならなかったと言われています。
⑧イラク戦争開戦
イラクのフセイン政権打倒を目標に米英+有志連合が行った軍事作戦です。
戦争勃発時からわずか2ヶ月ほどで大幅な円高が進みました。
⑨リーマンショック
2008年9月リーマン・ブラザーズが破綻しました。
2008年10月にはわずか1日で7円以上も円高が進んだこともあります。
⑩円高史上最高値
2011年10月に1ドル=75円32銭と史上最高値を更新しました。
まとめ
ドル円の歴史をまとめてみましたが、金融危機や戦争などで為替相場が大きく動きますね。
年足チャートでの表示のため、大きく動いたのかどうか分かりにくいかもしれません。
ですが世界的に大きなニュースがあると為替相場は大きく動く可能性があります。
今後とも注意をしていきたいです。
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