FXを始めて困ることの一つに、どこで利益確定をするかということがあります。利益を伸ばそうと思い、粘って持ち続けていたら逆行し始め結局大して利益が残らなかった。
もしくは早めに利益確定したら、その後にかなり伸びてもったいないことをしてしまったなど悩みは尽きません。
今回はそんな経験のあるFX初心者に向けて利益確定の目安をいくつかご紹介します。
直近の高値、安値を目安にする
まずは一例として「売り」エントリーの場合を考えてみます。「買い」エントリーの場合は逆に考えてみてください。
赤丸辺りで「売り」エントリーを行ったとします。このポイントは移動平均線にきれいに反応した戻り売りに適したポイントだとします。
この際にどこを利益確定の目安にしたら良いでしょうか?
その目安となるポイントとして、最初に上げられるのが直近安値となります。青線の辺りです。ここまできたら利食いを入れるのが一つの方法です。
直近安値の目安としてヒゲを考慮するのかしないのかという議論があります。
これに関しては安全に利益確定を行う場合は直近安値のローソク足本体部分までの方が良い結果が出ているように思います。
ただ、利益を伸ばしたいと考えた場合はヒゲを含めた直近安値まで粘っても良いかと思います。
そしてもう一つの目安がボリンジャーバンドにタッチするまで粘る方法です。上記のチャートですと、ピンク丸の所でボリンジャーバンドにタッチしています。
それぞれどこで利食いを行うかは、損切り位置をどこにするかによってリスクリワードが変わってくるため、毎回「ここ!」と決めつけるのではなく臨機応変に考えるのも一つの方法です。
さらにもう一つの方法としては、短期足でエントリーした場合は4時間足のボリンジャーバンドにタッチするまで粘るのも一つの方法です。
損勝利大を目指している方にとっては、先ほど紹介した直近高値、安値までしか利益を取らないとすると目標が達成できません。
よって利益確定までに時間がかかるのがネックではありますが、4時間足のボリンジャーバンドにタッチまで粘るというのも良い方法かと思います。
相場の節目まで粘る!
赤の縦線は一つ前のチャートのエントリーポイントのローソク足となります。
ここでローソク足で「売り」エントリーをした際に利益確定ポイントとして目安となるのが大きな時間足の節目となります。
上記のチャートは4時間足のチャートとなりますが赤の水平線を引いたポイントが節目となっていることが分かります。
今までこのライン上で相場が何回も止められているため、今度も一度止まる可能性があることから赤丸辺りを利食いの目安とするのが今回ご紹介する方法です。
恐らく損勝利大を考えている方にとっては、このやり方が一番メジャーかもしれません。
デイトレード~スイングトレードの方はこの利確ポイントを目安に考えると良いかと思います。
先ほど紹介した直近高値、安値、ボリンジャーバンドにタッチの利確の場合は、どちらかというとスキャルピングトレードの方向けです。
ただ上記チャートを見てもらうと分かるように、赤丸で利食いを入れてもその後にかなり伸びていることが分かります。
この場合、ちょうど赤丸の所で戻り目を形成しているようにも見えることから短期足で再びエントリーが出来るかもしれません。
一度で利益を全部取ってしまおうと考えるのではなく、再度入りなおすという考えも必要かと思います。
さらにもう一つの目安をあげるとすれば、移動平均線を割るところまでポジションを持つという方法です。
縦の赤線で「売り」エントリーを行い、ずっと移動平均線の下でローソク足は推移していました。よって今回の場合、移動平均線を上回った所までポジションを持つという方法です。
今回の場合は、この方法が利益が大きくなったようです。
フィボナッチ・エキスパンションを利用する
フィボナッチと聞いて一番有名なものはフィボナッチ・リトレースメントというものだと思います。
自然界の法則を応用し、例えば上昇トレンド中でも一旦ローソク足が下がるポイントがあります。その際にどのくらい下がるのかを予測するものです。
これと似たようなもので、自然界の法則を応用し利益確定の目安として使えるものがフィボナッチ・エキスパンションと呼ばれるものとなります。
上記のチャートで示しましたが青丸+2カ所の赤丸と3点を指定した場合に、この戻り目がどの位まで利益が伸びるかを予測します。
候補としてはピンク丸の3カ所になります。
目安とするには良いかと思います。
ただフィボナッチ・エキスパンションですが3点のポイントを決めないといけないのですが、人によってポイントが変わることがありそうです。
今回の場合、赤丸の2点は恐らく大半の人は同じだと思います。ただ青丸の1点目が人によって黄色丸のどこかに変わる可能性があります。
1点目が変わることによって利益確定のポイントも変わってきます。
これが悩ましい所ではあります。
目立つポイントを目安にし、小さな動きの所は気にしないようにするのが良いと思います。
以上、利益確定のポイントについての解説でしたが、どれも絶対大丈夫というものはありません。
思惑通りいかなかった場合、しっかりと損切りをするようにしましょう。
以上、利益確定のポイントについて解説してみました。
一定の利幅を決めておく
この方法は利益が出たら毎回10pipsで利益確定をするなど、あらかじめ利幅を決めておくというものです。
現在の場面で、利益確定をするかどうか迷うことはなくなりますが、本来大きく取れる場面を見逃すことになるので多くの人が採用している案だとは思いますが、自分としてはあまり好まないやり方となります。
一定の時間で決める
こちらはエントリーをしてから毎回決済までの時間を決めておくというものです。
例えば毎回30分で利益確定をするとか、自分の投資スタイルに合わせて決めておくと良いでしょう。
このやり方も決済をするべきか、しないで粘るかなど迷いがなくなる方法ではありますが、一定の利幅で決済をするのと同じく大きく利益が取れる場面を逃す可能性があります。
移動平均線を目安にする
例えば上昇トレンド中に「買い」エントリーをしていたとします。
その際にどこで利益確定をするのか迷うこともあるかと思います。
その際に移動平均線のクロスを目安にするのも一つの方法です。「買い」エントリーをした場合はデッドクロスするまでポジションを持つ。
「売り」エントリーをした場合はゴールデンクロスで利益確定をするなどです。
このやり方は決済のタイミングがはっきりと分かりやすい所にメリットがあります。
逆にゴールデンクロスやデッドクロスまでポジションを持っていると、利幅を狭めてしまうことになります。
ただ相場の底から天井全部の利益をいただくということは、普通はできません。
よって欲張らずに移動平均線のクロスを目安にするのは良い方法だと思います。
トレール注文を利用する
トレール注文とは、例えば上昇トレンド継続中で「買い」エントリーをしていたとします。
この際にどこで決済注文をすれば良いのか迷った場合に使えるやり方です。
利益が増えていく度に損切り位置を少しずつ上にあげていきます。
そうすると上昇トレンドもいつかは終わりますので、その時に自分の設定した損切り位置に引っかかります。
その時点を決済ポイントとする方法です。
現在のFX業者のシステムでは、自分で損切り位置を少しずつ上げていく設定をしなくても「トレール注文」という注文方法があると思いますので、利用してみるのも良いでしょう。
相場はどういう動きをするかは誰にもわからないわけですので、「トレール注文」は一度設定をしたらチャートをずっと見ていなくても良いためありがたい機能だと思います。
デメリットとしては、相場が仮にずっと上昇をしていたとしても、きれいに上昇をしていくことは稀で、たまに一瞬勢いよく落ちた後にまた上昇トレンドを継続するなどはよくあることです。
その際に一瞬の下落に「トレール注文」の設定がひっかかり利益確定をして、その後にさらに上昇トレンドが継続してしまい、更なる利益を取り損ねたということがたまにあります。
分割決済を利用する
これは決済の時間を例えば2回とかにして分割する方法です。
一例としてこれまでに紹介してきた決済方法のどれでも良いので1つで、利益の半分を確定させます。
そして残りの半分のポジションで更なる利益を目指すというやり方です。
この分割決済のメリットとして先に半分利益確定をして利益を確保しているため精神的に余裕ができるということになります。
その後も落ち着いてトレードが出来ると思います。
仮に残りの半分のポジションで大した利益が出ていなかったり、万が一にも多少のマイナスになったとしても最初の利益確定があるため大きく損失を出す心配がないのが良い点です。
まとめ
利益確定のタイミングとして考えられるのが、直近の高値安値を目安にする、相場の節目を目安にする、フィボナッチ・エキスパンションを利用するなどが考えられます。
その他にもインジケーターを利用して、ボリンジャーバンドにタッチを目安にする、時間や利幅で決済を検討するなども紹介しています。
大事なこととして、世の中のトレーダーが意識するであろうポイントまでは価格が移動すると考えて、そのポイントまでは最低でも粘る必要があるということになります。
トレード回数が増えていくと普通は勝率が下がって行く傾向にあります。
よって利益が出ている時はなるべく粘り、利益を最大化させなくては資産はなかなか増えていきません。
よって上記で紹介したポイントを目安に、なるべく利益を増やすことを意識してみましょう。
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