三角持ち合い(ペナント)は、非常によく出てくるチャートパターンとなります。
良く出てくるため、その後の動きや手法などを知っておきたい所です。
今回は三角持ち合い(ペナント)についての基礎的な知識から、その後のよくある動き、さらに手法についての解説となります。
三角持ち合いとペナントについて
三角持ち合いとペナントは混同してしまうと思います。
たくさんの本やブログを見ていますと、表現方法は様々です。
・三角持ち合いとペナントを別物として説明
・三角持ち合いとペナントを同じもの(言い方が違うだけ)と説明
・三角持ち合いの一種としてペナントがあると説明
・ペナントの一種として三角持ち合いがあると説明
などいろいろと解説されています。
ですが、エントリーパターンはほとんど同じため、このブログでは三角持ち合いとペナントを同じものとして扱いたいと思います。
三角持ち合い後に上昇パターン①
三角持ち合い後に上昇パターンは、上昇ペナントとも呼ばれるチャートパターンです。
黒線がローソク足です。赤線が上値抵抗線と下値支持線になります。
上記のようなチャートの形は上昇ペナントと呼ばれ、上がったり下がったりがありながらも全体的に値幅を狭めていくように見えます。
ですが売る側の力が弱まり、一気に買いが優勢となる可能性の高いチャートパターンとなります。
そして少しでも買いが優勢になると、みんな揃って買いを入れるため一気に上がるのです。
このチャートパターンは注意してよく見ているといたるところで見られます。
ただ必ずしも上に抜けるとは限りません。
全体的には値幅が狭まってきているため、一度どちらかにブレイクしてからエントリーを検討するほうが安全です。
エントリーポイント
エントリーポイントは上昇ペナントを抜けた直後、上記のチャートで言うとピンク丸が最初の候補です。
ですがここでエントリーをしてしまうと「ダマシ」にあう危険性もあります。
この場合の「ダマシ」とは一度、上値抵抗線を突破したと見せかけてペナントの中に値が戻ってくることを言います。
よって一度下がり再上昇するポイント、いわゆる押し目を狙うのがよいでしょう。
上記の青丸あたりです。
三角持ち合い後に上昇パターン②
上記のようなパターンも存在します。
高値は上値抵抗線で抑えられ、下値は少しずつ切りあがっている状態を言います。
状況によっては上値は同じレートで抵抗線にならず、少し斜めの状態になることもありますが考え方は同じになります。
高値は抵抗線で抑えられていますが、下値が徐々に切りあがっています。
これは買いの勢いが徐々に増していっている証拠で、その後、上値抵抗線を突破でのエントリーをしたい所です。
そしてこの三角持ち合いですが、相場の高値付近で出るよりも下値付近で出てくる場面の方がその後の上昇が期待できます。
エントリーポイントは上値抵抗線突破をし、一度押し目を待った赤丸ポイントがいいかと思います。
三角持ち合い後に上昇をするパターンの実際のチャートです。
三角持ち合い部分には下から入っていき、上にブレイクをしていくことが確認できます。
この三角持ち合いをブレイクしてすぐにエントリーをするのではなく、一度調整のため下がり、再び上昇するポイントを狙うことをおすすめします。
三角持ち合い後に下降パターン①
三角持ち合い後に下降パターンで、下降ペナントとも呼ばれるチャートパターンです。
黒線はローソク足を表わしています。赤線は上値抵抗線と下値支持線になります。
上記の図のように徐々に値幅を狭めている場合、これは下降ペナントと呼ばれるチャートパターンとなり、その後は下がる可能性の高いパターンとなります。
エントリーポイント
エントリーポイントは下降ペナントを抜けたピンク丸辺り、もしくは一度戻り目を待った青丸辺りがおすすめです。
上昇ペナントと同じくピンク丸でエントリーを狙う場合は「ダマシ」に注意しましょう。
三角持ち合い後に下降パターン②
上記の図のような三角持ち合いのパターンは高値が徐々に下がってきていますが、下値はそれほど変わらず同じような所をウロウロしている時のことをいいます。
下値には抵抗線があるように見えまして、これ以上は下がらないように感じることがあるかと思います。
ですが、このパターンはしばらくすると買いと売りのバランスが崩れその後レートは下がっていく傾向にあります。
下値に抵抗線があるように見えるのは、抵抗線付近で買いが入っているためですが、しばらくすると徐々に強くなってきている売りの力に負けてレートが急落ということになります。
上値が徐々に下がってきているということが売りの力が徐々に強くなってきているということを表わしています。
これに気付くことができれば、その後の下値抵抗線突破を予想することができるでしょう。
エントリーポイントは、下値抵抗線突破した後すぐ戻ってしまう「ダマシ」回避のため突破した後一度戻り、再度下方向へ行くいわゆる戻り目を狙うのが良いでしょう。
三角持ち合い後に下にブレイクをしている実際のチャートです。
今回のチャートでは下にブレイクをした後、戻り目を狙ってエントリーをするとほとんど利益がとれないパターンとなっています。
ですが「ダマシ」回避のため、ブレイク後の押し目、戻り目の確認をしてエントリーが良いかと思います。
均衡型の三角持ち合いについて
上記の図のように高値は徐々に切り下げており、下値は徐々に切り上がっている三角持ち合いを均衡型の三角持ち合いと呼んだりします。
この三角持ち合いの場合は、その後に上か下かどちらに抜けるかは実際にその時にならないと分かりません。
ですが、可能性としては図のように下から三角持ち合いに入ってきた場合は、その後に上に抜ける可能性の方が高いです。
その逆で上から三角持ち合いに入ってきた場合は、その後に下に抜ける可能性の高くなる傾向にあります。
上記のチャートは上から三角持ち合いに入っていき下に抜けたパターンです。
このようにチャートを見ていますと三角持ち合いのパターンは至る所で見られます。
このパターンを見つけることでエントリーチャンスが増えると思いますが、ブレイク後の押し目、戻り目待ち、損切りポイントなど自分で決めたルールを守るようにしましょう!
三角持ち合い出現時の大衆心理
チャートパターンの三角持ち合い(ペナント)が出現するということは、投資家が「買い」か「売り」かどちらにしようか迷っている状態を表わしています。
どちらが優勢か判断がついていない状態です。
そして三角形で表されるように、徐々に先細りしていくというのは「買い」か「売り」かの判断がつかないため様子見をしていると考えることができると思います。
様子見をしている→つまりどちらかに動くまでエントリーをせずに待っている状態です。
よって売買量が少なくなり先細りをした三角形の形をするものと思われます。
そしてどちらかに動きだした時に、一気にそちらの方向へ進む可能性が高いことから、それまでは待ちに徹する方が良いと思われます。
損切り位置はどこら辺が良い?
損切り位置に関しては、いくつかの候補が存在します。
最初に上昇ペナントを例にしますとピンク丸、もしくは青丸で「買い」エントリーをしたとします。
その際の損切り位置の候補としては直近安値の少し下、つまり上記のチャートで言うと黄色線、もしくはペナント内での一番安値の少し下(ピンク線)が候補となります。
もしくは「買い」エントリーをしたのに価格がペナント内に戻ってしまった場合も、その時点で損切りをするのもありだと思います。
どの損切り位置にするかは正解はなく、資金量、時間帯、相場の勢い、ご自身の好みなどで決めてみると良いでしょう。
こちらも先ほどと同じくピンク丸、青丸あたりで「売り」エントリーをしたと仮定します。
その際に損切り位置の候補としては直近高値の少し上辺り(黄色線)、もしくはペナント内での一番高値の少し上辺り(ピンク線)が候補となるでしょう。
もしくは「売り」エントリーをして、その後は下に行くことを想定していたのに価格がペナント内に戻ってきてしまった場合も損切りの候補となります。
この場合の根拠としては当初想定していた動きと異なったため、早めに損切りを行い次に備えるということになります。
早めに損切りを行うことにより損失を少なくするメリットがあります。
注意点
チャートパターンのフラッグ型と違い、三角持ち合い内(ペナント内)での逆張りはおすすめしません。
理由としては、三角持ち合い(ペナント型)の場合は値幅がどんどん小さくなっていくため利益を上げるのは難しいためです。
またペナントかと思い逆張りをしたら実はフラッグ型だったということもあり、思惑と逆に行き損失が出てしまう可能性もあるからです。
まとめ
三角持ち合い(ペナント)のパターンとして主に3種類があります。
☆ 三角持ち合い後に上昇パターン
☆ 三角持ち合い後に下降パターン
☆ 均衡型の三角持ち合いパターン
三角持ち合いを突破後の動きとして上昇、下降どちらになるかはわかりません。
動いた方向へついていくのが良いかと思います。
ただ「ダマシ」もありますので気を付けたい所です。
一つの目安ですが、下から上がってきて三角持ち合いパターンになった場合は、その後に上昇する可能性が高い。
上から下がってきて三角持ち合いパターンになった場合は、その後に下降する可能性が高くなります。
三角持ち合い(ペナント)のチャートパターンを見極めるには、見やすく使いやすいチャートソフトが一番です。
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