ボリンジャーバンドと遅行スパンを組み合わせた手法といえば、一般的には「スーパーボリンジャー」として知られています。
ただ「スーパーボリンジャー」の存在をまだ知らなかった時に、自分でもインジケーターをいろいろ組み合わせて研究していました。
その時にボリンジャーバンドと遅行スパンの組み合わせ手法を偶然に発見しましたので紹介したいと思います。
※「スーパーボリンジャー」の場合は遅行スパンの設定値は「21」を使うようです。
このブログ記事では一般的に使われている「26」で説明しています。
ボリンジャーバンドとは?
アメリカの投資家であるジョン・ボリンジャー氏が考案したテクニカルツールで移動平均線と上下2本ずつの標準偏差からなる計5本のラインで構成されています。
ボリンジャーバンドは統計学を元に作られており、+2σと-2σの間に価格が収まる確率は95.45%と言われています。
ボリンジャーバンドについて詳しく知りたい方は、こちらの記事を参考にしてください。
遅行スパンとは?
遅行スパンとは一目均衡表というインジケーターの中に表示されている線の一つです。
ローソク足を26本分後ろにずらして表示させたラインとなります。
ある一定の時に売買を行い、ローソク足26本経過後に損益状態がどうなったかを把握できます。
ボリンジャーバンドと遅行スパンを組み合わせた手法!
表示させるインジケーターはボリンジャーバンド+遅行スパン(スーパーボリンジャー)となります。
ボリンジャーバンドは基本的には20日移動平均線を利用していますが、特に決まりはなく21日、25日などお好みで良いかと思います。
そしてトレンドがわかりやすいように±1σ、±2σ、±3σと全て表示させておきます。
遅行スパンに関しては一目均衡表のインジケーターを表示させて、遅行スパン以外の表示を消しておきましょう。
※設定値を「26」で説明していますが、「スーパーボリンジャー」というインジケーターの遅行スパンは「21」で設定されているようです。
お好みで変更してください。
トレンド相場で使用する
まずはボリンジャーバンドでトレンドを把握したいと思います。
ポイントは移動平均線の向きです。
単純に右肩上がりなら上昇トレンドあり、右肩下がりなら下降トレンドあり、横ばいならトレンドレス状態です。
次の判断材料としてボリンジャーバンドのバンドの開き具合を見ます。
トレンドが出ている時はバンドが開いていることが分かります。
エントリーを検討するのはこのバンドが開いている間が良いでしょう。
さらに次の判断材料として、ローソク足とバンドの位置が大事になってきます。
これには見るポイントとしてローソク足の終値に注目をします。
現在、移動平均線が右肩上がりだとします。
その際に移動平均線から±1σの間にローソク足が推移している場合は、強いトレンドとは言えません。
理想はローソク足の終値が+1σ~+2σの間で推移している状態です。
この状態が最も安定して、長くトレンドが続く条件となります。
絶対とは言えませんが、トレンドが形成された場合にローソク足は+1σ~+2σの間で8~9本程度続くことが多いです。
よってこれを目安に利益確定を考えるのも良いかと思います。
+2σ~+3σを推移している場合はもっと強い上昇トレンドを形成しているといえますが、急騰後の大きく反落がある可能性がありますので注意が必要です。
エントリーポイントとして候補に挙がるのは、上記の黄色丸のような遅行スパンがボリンジャーバンドを上抜け、下抜けした時となります。
このポイントはトレンドが出始めると良く起こる現象です。
ただ上記緑丸のようにボリンジャーバンドを一度上抜けしたように見えて、トレンドが出ないパターンもあります。
よって先ほど説明した、移動平均線の向き、バンドの開き具合、ローソク足の位置なども確認してさらに遅行スパンを利用するというやり方をすると良いです。
さらにもっと早くエントリーをして利益を取る方法としては、ローソク足の下から遅行スパンが上抜けしたら「買い」、ローソク足の上から遅行スパンが下抜けしたら「売り」ということも出来ます。
ただ遅行スパンの設定値を「21」にしてローソク足の上抜け、下抜けでのエントリーは「ダマシ」に合う可能性が高いことから、もう少し待つのをおすすめします。
次に利食いのタイミングについてです。
これも先ほどの説明のようにローソク足の本数、ローソク足の位置、バンドの開きぐあい、移動平均線の傾きなどが参考になります。
特に上昇トレンドの場合にボリンジャーバンドの-1σ、-2σ、-3σのバンドが早めに閉じようとしてくるのが確認できます。
よってこの動きも参考になりそうです。
そしてさらに遅行スパンを利用してみたいと思います。
上記チャートの黄色丸で遅行スパンがボリンジャーバンドを上抜けしたため「買い」エントリーをしたとします。
利食いポイントとしては青丸部分の遅行スパンがローソク足に絡んだ辺りが目安となります。
遅行スパンとローソク足が重なっている状態はトレンドが出ている状態とは言えません。
よって現ポイントである26本先のローソク足で、利食いポイントとして検討をしてみる必要があります。
押し目買い、戻り売りの可能性もあり!
先ほどまでに遅行スパンがローソク足に重なった時はトレンドが出ていない状態と説明をしました。
ポジションを持っている場合は利食いも検討される場面ですが、必ずしもトレンド終了という訳ではありません。
例えば上昇トレンド中の押し目買いポイント、下降トレンド中の戻り売りポイントとなる可能性もあります。
よって上昇トレンドを例にとった場合に、移動平均線やボリンジャーバンドが右肩上がり、バンドが開いている。
ローソク足も+1σ~+2σの間で推移している。
などの後は押し目買い、戻り売りポイントの可能性もあります。
正解はなく判断は難しいのですが、移動平均線やボリンジャーバンドの状態から現在は上昇トレンドと判断された時に、ローソク足が-2σ近辺を推移しているのであれば押し目買いの可能性も考えておきましょう。
まとめ
ボリンジャーバンド+遅行スパンの手法は、トレンドを把握するやり方が分かりやすいと思います。
☆移動平均線の傾きを見る
☆ボリンジャーバンドのバンドの開き具合を見る
☆ローソク足の終値が現在バンドのどの位置を推移しているかを見る。
☆遅行スパンの位置を見る(ローソク足と重なっている状態の時はトレンドが出ていない)
☆遅行スパンがローソク足に重なった状態は必ずしもレンジに移行するわけではなく、押し目買いや戻り売りのチャンスの可能性もある。
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