
FXのチャートパターンでフラッグと呼ばれるものが存在します。
そしてフラッグには上昇フラッグと下降フラッグがありますが、それぞれどういった意味があるのでしょうか?
これを利用した手法にはどのようなものがあるでしょうか?
解説していきたいと思います。
上昇フラッグとは?

黒線がローソク足です。赤線が上値抵抗線と下値支持線になります。
上記のようなチャートの形は上昇フラッグと呼ばれ、上がったり下がったりがありながらも全体的には下がってきているように見えます。
ですが、売る側の力が弱まり一気に「買い」が優勢となる可能性の高いチャートパターンとなります。
そして少しでも「買い」が優勢になるとみんな揃って「買い」を入れるため一気に上がるのです。
このチャートパターンは注意してよく見ているといたるところで見られます。
全体的には下がってきているため、自分が「買い」を入れたとき少し下がる可能性もありますが焦らないことが大事です。
上昇フラッグを利用した手法!
ブレイク後の買い

エントリーポイントは上昇フラッグを抜けた直後、上記のチャートで言うとピンク丸が最初の候補です。
ですがここでエントリーをしてしまうと「ダマシ」にあう危険性もあります。
よって一度下がり再上昇するポイント、いわゆる押し目を狙うのが良いでしょう。
上記の青丸あたりです。この上昇フラッグですが、もう少し大きな時間足で見ると上昇中の押し目になっていることもあります。
押し目になっているので一旦調整のため下がっているのですね。
上昇する前の調整段階、一回下がるポイントですので、あせって「売り」を行ったり「買い」を急ぎすぎたりしないよう注意しましょう!
注意点
先ほど書いたことですが、「ダマシ」に注意することが大事です。
「ダマシ」とは騙されるということで、この場合ピンク丸の所ですが、上値支持線をブレイクしたと思わせておいて、またフラッグの中にローソク足が戻ってくる可能性もあるということです。
その場合は、そのまま耐えるというのも一つの方法ではありますが、一回損切りをするというのも選択肢の一つでしょう。
その損切りを減らすためにも、一旦押し目を待つ青丸ポイントのエントリーをおすすめします。
フラッグ内の逆張り

もう一つのエントリー方法として少し難易度が上がるのですが、フラッグの中での逆張りをするということもできます。
これは上記の図のようにピンク丸で「売り」、青丸で「買い」を行うということです。
利益確定は「売り」の場合、下値支持線くらいまで、「買い」の場合は上値抵抗線あたりまでがよいでしょう。
ちなみに上昇フラッグを形成するために上値抵抗線と下値支持線を引きますが、基準となるポイントが2点ずつ必要なため、上記の図×のポイントでエントリーをするのは難しいかと思います。
他のHP等での解説では、下値支持線の2点目の×印から「買い」も可能と説明されているものもあります。
この場合には、しっかりと損切りをするという条件の元、エントリーするというのも良いかとは思いますが、フラッグが完成したのかはっきりしない状態からのエントリーのため難易度は上がります。
注意点
フラッグ内での逆張りをねらう場合、上記の例では「売り」で紹介をしましたが、上昇フラッグの場合は「買い」を行う方が良いかと思います。
なぜかといいますと、しばらくするとブレイクすると思うのですが、恐らく上昇しますので「売り」を行うと損切りの可能性が高くなるためです。
下降フラッグとは?

黒線はローソク足を表わしています。赤線は上値抵抗線と下値支持線になります。
上記の図のように徐々に上昇をしているような場合、一見するとこのまま上昇をしていくように見えます。
ですがこれは下降フラッグと呼ばれるチャートパターンとなり、その後は下がる可能性の高いパターンとなります。
このパターンでやっかいなのが、「買い」でポジションを持っていた場合に天井を示すシグナルが何もないことです。
そのためポジションを持ち続けているときに急に下落というパターンになる可能性があります。
ですので、「買い」でポジションを持っていて上記のようなチャートパターンが出た場合、手じまいを検討したほうが良いでしょう。
もしくは、急落したあと戻り目を確認後「売り」をねらうというのも良いでしょう。
下降フラッグを利用した手法!
ブレイク後の売り

上記のチャート例も全体的には下落してはいますが、下落の途中の調整目的で一旦上昇している状態、いわゆる下降フラッグを形成している状態となっています。
エントリーポイントは下降フラッグを抜けたピンク丸辺り、もしくは一度戻り目を待った青丸辺りが良いと思います。
注意点
上昇フラッグと同じく、ピンク丸でエントリーを狙う場合は「ダマシ」に気を付ける必要があります。
一旦フラッグをブレイクしたと見せかけてフラッグ内に戻り上昇をしていくパターンです。
この場合はしばらく耐えるというのも選択肢かもしれませんが、「ダマシ」の後は想定と反対に伸びていくことが多いことから損切りをしたほうが良いかもしれません。
なるべくなら一度戻り目を形成するまで待ちたい所です。
フラッグ内の逆張り

上昇フラッグの時と同様にフラッグ内で逆張りをするということもできます。
青丸で「買い」ピンク丸で「売り」を狙うやり方です。
ただフラッグがきれいに形成されれば逆張りはやりやすいかと思いますが、そうでない場合はどこで反転するかを見極めるのが非常に難しく難易度が高くなります。
注意点
フラッグが形成されたと判断をするために上値抵抗線、下値支持線と共に最低でも2点の基準が必要となります。
よって上記画像で示した、×印でのエントリーは難しいかと思います。
×印でエントリーをねらってしまうと、下降フラッグかと思っていたら下降ペナントだったとかV字ボトムなど他のチャートパターンの形成中だったという可能性もあります。
よってフラッグをブレイクするまでは待つということをおすすめします。
さらに下降フラッグだった場合は、下にブレイクする可能性が高いことから青丸での「買い」より、ピンク丸での「売り」をねらう方が勝率は高いかもしれません。
そしてこちらも他のサイトなどでは、上値抵抗線の2点目の×印から「売り」エントリーが可能と説明されているものもあります。
この場合も2点目からのエントリーですと、フラッグが完成したのかしていないのか、はっきりしていない状態からのエントリーのため少し難しいエントリーとなると思います。
トレンドの途中でフラッグが発生するのはなぜ?
フラッグに限らず、トレンド途中に調整局面の中断保ち合いが出現する理由としては、トレーダーにより投資スタイルが異なることが挙げられます。
ある程度トレンドが出て、利益が積みあがるとスキャルピングトレードをメインにしているトレーダーは恐らく利益確定を行っているものと思われます。
よってこの時にトレンドと反対の動きが起こり出します。
そしてその動きを見た別のトレーダーもトレンドが終わる、もしくは調整局面に入ったと思い一旦利益確定が入る傾向にあります。
ですが長期でポジションを持つ人にとっては、調整局面では利益確定は行わないことが多いです。
そのままポジションを持ち続ける可能性が高く、さらには調整局面ではピラミッティングなど上昇トレンドでしたら「買い増し」、下降トレンドなら「売り増し」を行う人も出てきます。
そして新規で売買を行うことを検討している人も、トレンドの途中の調整局面を絶好の押し目ポイント、もしくは戻り目ポイントと判断し相場に参加してくるものと思われます。
さらには調整局面でのレンジの動きを利用して逆張りをする方も参入してきます。
よって利益確定の売買、積み増しの売買、新規の売買、レンジねらいの売買などが積み重なるのと同時に、いろいろな思惑があり売買が拮抗する傾向にあるため一時レンジのような状態になります。
これがフラッグをはじめ、トレンドの調整局面でのチャートパターンが出現する理由となります。
まとめ
上昇フラッグとは、上昇トレンド中にトレンドの調整局面として出現する可能性があるチャートパターンです。
一旦下降するような動きを見せるのが特徴で、フラッグのような形をしたローソク足の動きを見せます。
反対に下降フラッグとは、下降トレンド形成中にトレンドの調整局面に出現する可能性があるチャートパターンとなります。
一旦上昇するような動きを見せるのが特徴で、こちらもフラッグのような形をしたローソク足の動きになります。
なぜトレンドを形成する途中にこのようなチャートパターンが出現するかというと、投資家心理やトレードスタイルが関係しているものと思われます。
よってそれぞれの投資家が現在どういう状況に置かれていて、どういう行動に出ようと考えているかを分析してみるのも勝率をあげる要因になるかと思います。
上昇フラッグ、下降フラッグ共にエントリーをする際は、フラッグ内の逆張りをするという選択肢もありますが、上値抵抗線もしくは下値支持線をブレイクしてからのエントリーが良いかと思います。
そして一度押し目、戻り目を待ってのエントリーが安全だと思います。
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