仮想通貨の人気やグローバルな相場の変動など、近年注目を集めるFX(外国為替証拠金取引)。
FXではスプレッドという概念が重要な役割を果たしています。
本稿では、スプレッド広がりの裏側に見るFX会社選びのリスクとメリットについて探っていきます。
FX会社のスプレッドとは
スプレッドの概要
スプレッドとは、簡単に言えば通貨ペアの売りと買いの価格差のことです。
FX会社はこの差額を手数料として受け取ることで収益を得ています。
これは為替レートを表わしていますが、2つの数字で表示がされています。
2つ表示されていないFX業者は今はないかと思いますが、利用はしないほうが良いでしょう。
ちなみに、この2つ表示されているものは2wayプライスと呼ばれています。
見方としてわれわれ投資家が買いを行う時と売りを行う時のレートの違いが表示されています。
上の図の例ですと、買いを行う時は売り気配の100円05銭で買うこととなります。
反対に売るときには買い気配の100円00銭で売ることとなります。
そしてこの文章のタイトルであるスプレッドですが、この買い気配と売り気配の差額となります。
上記の図の例ですと、100円05銭-100円00銭=5銭がスプレッドということとなり、使用している FX業者への手数料みたいなものになります。
そしてこのスプレッドは FX業者によって金額が変わってきます。
事前に調べて安い所を利用する方が良いでしょう。
買いはスプレッド分だけ少し高く買うこととなり、売りはスプレッド分だけ少し安く売ることとなるということです。
ですので買ってすぐ売ってもスプレッド分の損が出るため、これを繰り返すと損失だけが増えていくことになりますね。
なお買い気配、売り気配という表示でなく 「Bid」、「Ask」と表示しているFX業者もありますが内容としては一緒です。
スプレッドの意義
スプレッドはFX会社の利益の一部を表していますが、同時に市場の流動性や取引の信頼性を反映しています。
狭いスプレッドは利便性が高く、トレーダーにとって有利な環境を提供します。
スプレッドの変動要因
スプレッドは通常、市場の流動性や取引時間帯、重要な経済指標の発表などによって影響を受けます。
特に、市場の流動性が低下したり、重要な経済指標が発表される瞬間にはスプレッドが広がることがあります。
スプレッドにおけるFX会社選びのメリット
スプレッドによる手数料削減
FX取引では、スプレッドを手数料として支払う形式が一般的です。
他の金融商品と比較して手数料が低いため、多くのトレーダーにとって魅力的な点です。
スプレッド固定の安心感
一部のFX会社では、スプレッドを固定して提供しています。
これにより、市場の変動や流動性の変化に左右されずに取引が行えるため、安心感を得ることができます。
スプレッドの競争による選択肢の拡大
FX市場は競争が激しいため、多くのFX会社がスプレッドを競って狭めようとします。
競争が活発な環境では、トレーダーにとってより有利なスプレッド条件を選ぶことができます。
スプレッドにおけるFX会社選びのリスク
スプレッド操作のリスク
FX会社はスプレッドの操作によって利益を得る場合があります。
一部の悪意のある会社は意図的にスプレッドを広げ、トレーダーにとって不利な条件を作ることがあります。
そのため、信頼性のあるFX会社の選択が重要です。
スリッページリスク
スリッページは、注文を出した時点での希望価格と実際の約定価格との差を指します。
特に市場が急激に変動する場合や取引量が大きい場合に発生しやすく、予想外の損失を招く可能性があります。
レートの逆転リスク
レートの逆転は市場の予測不可能な変動であり、スプレッドの広がりや約定の遅延などの要素と組み合わさると損失を招く可能性があります。
トレーダーは市場の動向を注意深く観察し、リスク管理を徹底する必要があります。
FX会社は手数料無料でやっていけるの?
昔に比べて悪質なFX会社は減り、良いFX会社が増えてきました。
そうしますと会社の間での競争が激しくなり、手数料を無料にする会社が増えてきました。
入金、出金の手数料やFXの口座維持管理手数料、取引の手数料などが完全無料の所が増えてきまして利用者としてはありがたい限りです。
ですが、こんなにも無料でFX会社はやっていけるのでしょうか?という疑問がわきます。
実はFX会社はスプレッドというもので利益を上げている一面があります。
スプレッドとは買いと売りの金額に少し差を設けその差額を会社が受け取るというものです。
例えばドル円で「買い」の場合1ドル=100.002で「売り」の場合は1ドル=100.004などで差額が会社の利益となるものです。
毎回取引のたびに投資家はこの金額を払うことになるため、FX会社としては十分な利益となるわけです。
このスプレッドはFX会社ごとに違いがあり広めの所も狭い所もあります。
よって手数料が無料だけを見るのではなく、スプレッドの広さも見てFX会社を決めた方が良いと思います。
最近ではこのスプレッドに関しても、利用者にとってFX会社を決める際に注目されるポイントとなるため有名なFX会社はどこも狭くなってきているようです。
ですが、このスプレッドですがあくまでも原則固定となっている所が多いです。
つまり相場急変時、特には雇用統計の時などや、月曜日の早朝などにはスプレッドが広がる会社が多いです。
これは何か大きなニュースが入り相場が一方向へ大きく動いた場合は、利益を確保する人が増えると予想されます。
本来は買う人がいれば売る人がいる、つまり儲かる人がいれば損する人がいるという状況で市場のバランスが保たれています。
ですが、例えば雇用統計の時などは直前まで取引がほとんどなく雇用統計発表時に一気に「買い」「売り」どちらかに極端に注文が入るため流動性が失われる可能性があります。
このことを防ぐためにスプレッドを広げる傾向にあります。
つまりFX会社も一投資家であり、インターバンク市場で売買を行っていますので「買い」「売り」のバランスが崩れると損を出してしまうことになる可能性があります。
よってそれを防ぐためにスプレッドを広くしています。
どのくらいスプレッドが広がるかは会社にもよりますので、事前にデモトレードなどで確認をしておくことも良いかと思います。
私の体験談
私は長年にわたりFX取引を行ってきました。
実際に様々なFX会社を試し、スプレッドの広がりやリスク管理の方法を学びました。
以下では私の体験に基づいた具体的な事例を共有します。
スプレッド操作のリスク
私が初めて取引したFX会社では、スプレッドが不透明で操作が疑わしいと感じました。
取引時にスプレッドが急激に広がり、予想外の手数料が発生することがありました。
この経験から、信頼できる会社を選ぶことの重要性を痛感しました。
スリッページリスク
高いボラティリティを持つ通貨ペアで取引を行った際に、スリッページが発生しました。
注文を出した時点での希望価格よりも実際の約定価格が大幅に異なり、予想外の損失を被りました。
これを教訓に、市場の変動時には慎重に注文を出すように心掛けています。
レートの逆転リスク
ある時、重要な経済指標の発表があり、通常よりもスプレッドが広がることが予想されました。
しかし、市場の反応が予想外に強く、予測していたよりも大幅にレートが逆転しました。
これにより、損失を出してしまいました。
リスクを最小限に抑えるために、予測不可能なイベントには慎重なアプローチが必要です。
Q&A
Q1: スプレッドは固定されている場合と可変されている場合、どちらが優れているのですか?
A1: 固定されたスプレッドと可変されるスプレッドにはそれぞれメリットとデメリットがあります。
固定されたスプレッドは取引の安定感があり、市場の変動に左右されずに取引が行えます。
一方、可変されるスプレッドは市場の状況に応じて狭まったり広がったりするため、特に流動性の高い市場で有利になることがあります。
どちらが優れているかはトレーダーの取引スタイルや好みによります。
Q2: スプレッドの広がりが大きい会社と小さい会社、どちらを選ぶべきですか?
A2: スプレッドの広がりが大きい会社と小さい会社の選択はトレーダーにとって重要な決定です。
一般的にはスプレッドが狭い会社が取引コストが低くなりますが、それには他の要素も考慮する必要があります。
信頼性、取引の実行速度、顧客サポートなども重要な要素ですので、トレーダーはこれらの要素を総合的に判断して会社を選ぶべきです。
Q3: スリッページを避けるための対策はありますか?
A3: スリッページを完全に避けることは難しいですが、いくつかの対策を取ることでリスクを軽減できます。
まずは注文を出す前に市場の流動性を確認し、特に大きな経済イベントやニュースの発表前後には慎重になることが重要です。
また、ストップオーダーやリミットオーダーを利用して損失を制限することも有効です。さらに、信頼性の高いFX会社を選ぶことも重要です。
まとめ
スプレッドはFX取引において重要な概念であり、売りと買いの価格差を表します。
そして、FX会社はスプレッドを手数料として収益を得ています。
さらに、スプレッド操作のリスクやスリッページリスク、レートの逆転リスクなど、FX会社には様々なリスクが存在します。
トレーダーは信頼性のある会社の選択とリスク管理を重視する必要があります。
一方で、スプレッドにはメリットもあります。
手数料削減や固定スプレッドによる安心感、競争による選択肢の拡大など、トレーダーにとって利益をもたらす要素です。
私の体験談では、スプレッド操作のリスクやスリッページ、レートの逆転などについて具体的な事例を共有しました。
これらの経験から、リスク管理の重要性と慎重な取引の必要性を学びました。
FX取引はチャンスとリスクが共存する世界です。トレーダーは十分な知識と経験を持ち、信頼性のあるFX会社を選びながら、リスクを最小限に抑えながら取引を行うことが求められます。
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